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西洋医学は原因がはっきりしている病気はとても得意としています。たとえば梅毒はトレポネーマという菌が感染して発病することがわかって、ペニシリンなどの抗生物質が特効薬として開発され簡単に治るようになりました。江戸・明治時代までは原因がわからず不治の病だったのですから、たいしたものです。ところが今、平成の世の病気をみてみると、原因がはっきりしない病気が八割以上です。言い換えれば西洋医学が苦手な病気がおりのように溜まって残ってきたと言えます。高雄病院には、西洋医学単独では治りにくい様々な現代病の漢方治療を求めて、京都市内はもちろん全国からたくさんの患者さんがやってこられます。

葛根湯服用後は、体を中心部から温めることが大切ですので、熱いうどんを食べたり、熱いお茶を飲むと薬の効き目を助けます。布団に入って保温したほうがベターで、じわーっと、かすかに汗がでるとスーッとカゼが治ってしまうものです。冷たいものを飲んだり体を冷やしたりすると効果が落ちます。逆に、サウナや暖房などで強引に流れるように発汗させると、かえって悪化することがあります。なお、葛根湯をいくら飲んでも効いたことがないという方は、体質が合っていないと考えられます。

漢方医学の理論は、のちに西洋医学から「非還元主義的である」「非科学的である」「あんなものは医学ではない」などと批判されることとなります。しかし、漢方医学はもともと非還元主義的な、直感主義的な診察を選り好んで採用してきたのではなく、漢方医学が発達を遂げた古代から中世までの時代においては、そうした診察法しか方法論的にありえなかった、という反論がなされています。

一方、日本漢方には瞑眩(めんげん)という概念があります。治療中に一時的に病状が悪化し、その後に完全に回復するような状態を指します。漢方以外の代替療法や民間療法などで「好転反応」という言葉を耳にすることがありますが、ほとんど同じ意味です。 これは副作用とは異なると説明されますが、実際に症状が出ている時点での区別は困難で、事後的にのみ確認できます。結局は医師の経験によって見分けるしかなくあまり当てにならないので、瞑眩らしきものがあればただの誤治だったと考えるほうが無難です。この概念は日本独特であり、かつ日本でも江戸時代はあまり認知されていませんでした。


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